ものしり娘
詞、曲:水谷紹
“ものしり娘” is included in Tricomi – Good Girls Get Fed, Bad Girls Get Eaten as track #5.
彼にとってのデートの意味と、私にとってのデートの意味が同じであるとは思えないの。
運動選手のような体つきをしている彼は、意外なほどきつく私の手を握って歩いたわ。
経験は経験として、日記にはつけておくけど,最後のページまで使ってしまったら、その日記帳も捨ててしまうと思うの。
サイドキャビネットに山積みの本や新聞、無造作(むぞうさ)に置かれたように見えるソファーや椅子。
カーテンはいつもひかれた儘,複雑に組み合わせられたオーディオセットで、昨日買ってきたCDをかけようと,宿泊している彼。
お父さんは知らないでしょうが,彼がベッドから抜け出してきて、まだ10分も経ってないのよ。
グランドピアノくらいでありそうな大きなししょい*冷蔵庫。その中に、お父さんが入っているわ。
お父さんの死体はキッチンに,お母さんの死体は車の中;彼の死体はまだ、ベッドの上にある。
「あたしは、行ってきま〜す」っだ。ずいぶん前から準備だけはしてあったの。旅に出る切っ掛けなんて、いつも些細なもんだわ。
空(す)いてるバスは来るまで、何台でも遣り過ごすの。そしてあたしは、ファーストクラスの結婚をするの。
父の父は町の有力者,戦争で財を成し、政治的影響力もある。彼の父は権力者,あらゆる面で、身を滅ぼす節がある二人は出会った。
あたしが子供の頃,お母さんはいつも お酒を飲んで泣いてたわ。お父さん、あたしがお父さんと呼んでいた人はとでも、短気で冷たかった。
お父さんが好きよ、お母さんが好きよ、彼も好きよ。肉屋のおじさんも、パン屋のおじさんと同じぐらい好きよ。
バス乗る時は,空いてるバスが来るまで、何台でも遣り過ごすことね。空いてるバスに乗って,座ることができれば、とりあえずそのバスはファーストクラスだって思うの。