十人の女学生

詞:吉岡治
曲:小室等
編曲:高中正義
原唱:野坂昭如

分裂唄草紙』track #5

十人の女学生 すかんぽ土手で 行商人に抱きつかれ 一人の娘は逃げ遅れ そこで九人になりました。

九人の女学生 旱(ひでり)の夏に 女衒にしかと手を引かれ 一人の娘はお女郎屋へ そこで八人になりました

八人の女学生 一家で飢えて 盗んだ芋は一切れで 一人の娘は村八分 そこで七人になりました

七人の女学生 狐が憑いて 祈祷師読んで護摩たいて 一人の娘はいぶれ死に そこで六人になりました

六人の女学生 祭りの晩に たらい廻しにあそばれて 一人の娘は気がふれて そこで五人になりました

五人の女学生 あんにゃさ惚れて 手に手をとってせぎの中 一人の娘は心中して そこで四人になりました

四人の女学生 ママハハ鬼で 朝に夕べに苛びられて 一人の娘は家出して そこで三人になりました

三人の女学生 鼻たけもちで 巡査に火つけ見つかって 一人の娘はかんべつしょ そこで二人になりました

二人の女学生 天然痘で じゃんかの次は目がつぶれ 一人の娘は瞽女になり そこで一人になりました

十人の女学生 とうとう一人 理由もなしに樫の木に 一人の娘は首つって そこで誰ぁれもいなくなった

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