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集団農場の秋

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“集団農場の秋” is a song released by ゲルニカ and included on their second album 新世紀への運河 as track #2.

地にうなるコンバイン
増産されるトラクター
降り注ぐ空中散布
生み落ちる鶏卵
運ばれるミルクポット
繰り返す品種改良
大規模な機械化
目ざましい五ヶ年の成果
収穫はグラフを突き抜ける
穀物の供給は食卓に満ち溢れる
集団農場はいまや秋
変りゆくツンドラ
拓けゆくシベリア
拡がりゆく肥沃な大地よ
みわたせば黄金の稔り
宴にはコサックの歌 声高らかに唄い
夕げにはサモワールが湧き立つ

曲解說:

ある日太田はシベリア寒波に身を晒しながらはるか憂鬱の大地に想いを馳せるのてあった。その時彼の耳は収穫を祝う喜びの歌声を確かに捕えた。それが彼をしてペンを走らせた樣である。

やがて来る冬の前の束の間の喜ひ、そして待ち焦がれた春……。今日、最後の白鳥がシベリアへと帰って行った。

磁力ビギン

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“磁力ビギン” is a song released by ゲルニカ and included on their second album 新世紀への運河 as track #1.

繋がれた電池 回りだすコイル
描かれる磁界 飛び交わす電子
唸り出す電磁石の力
クギをクリップを
ピンをコンパスを
たわわに鉄を吸い付ける
互いに引き合うSとN
互いに離れるNとN
互いに引き合うNとS
互いに離れるSとS
回るコイル 流れる電気
マグネット マグネット 磁力のビギン

繋がれた電池 回りだすコイル
描かれる磁界 飛び交わす電子
唸り出す電磁石の力
ネジをペン先を
砂鉄をマチ針を
たわわに鉄を吸い付ける
互いに引き合うSとN
互いに離れるNとN
互いに引き合うNとS
互いに離れるSとS
回るコイル 流れる電気
マグネット マグネット 磁力のビギン

曲解說:

磁石の力とは不思議なものてある。事物に磁性を感ずるや否やたちまちのうぢにその身に引き寄せてしまう。宇宙の摂理を目の当りに見る思いてある。我々はその秘密をラテンのリズムの一つてあるビキンに託して歌ってみた。

マロニエ読本

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“マロニエ読本” is a song released by GUERNICA and included on their first and only single “銀輪は唄う/マロニエ読本” as the first B side track. The song was included on their first album 改造への躍動 as track #13.

軒の燕が電線停り しだれ柳にこの身がなびく
あの日通いしニコライ堂
礼拝すれば熱き涙を神ぞ知れ
待てど暮らせど来ぬ人の
便りを待たぬ日とてなく
思い乱れてなを文を書く

路傍のマロニエ見るたび
貴方ときざみしマロニエの
恋の言葉 忍ばれて
切ない夢がこみ上げる

暮れる街並街燈ともり
帯がなるたびこの身が細る
小雪散れ散れ聖橋
流れに捨てた金のボタンに
小雪散れ
言うに言われぬこの心
溜息つかぬ夜とてなく
たもと揚げてなを涙する

銀輪は唄う

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“銀輪は唄う” is a song released by GUERNICA and included on their first and only single “銀輪は唄う/マロニエ読本” as the first A side track. The song was included on their first album 改造への躍動 as track #12.

二人並んで自転車に乗れば
こもれびを浴びてスポオク光る
ハンドルさばきも巧みなものさ
木立を縫って山道行けば
ネツカチイフをそよ風揺らす
歌を唄えば朗らかに
君はあの歌 僕はこの歌

※ラララ 快速 快速
スピイドあげて
ベルを鳴らして
行こうじゃないか※

二人並んで自転車に乗れば
緑の息吹きに小鳥も唄う
ペダルかろやかグングン走る
丘に登れば遠くに見える
あんなに小さな僕らの村さ
夢を語ろう 二人の未来
君はあの夢 僕はこの夢

(※くり返し)

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“曙” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #11.

私はさまよう トランク一杯思いで詰めて

東京の出会い タンゴ奏でるダンスホオルで
ヒイル脱ぎ捨て 夜が明けるまで踊ったものね

別れの日が来て 急を告げる生命線へ
夜の滑走路 銀の翼 飛び立つて行った

東亜の明日は 二人の定め
堅い誓ひは その日が来るまで

私はうたかた 大河の流れにこの身を任せて

再会したのは 粉雪の舞ふ大連の街
凍てつく肩に 貴方のオヲバア掛けてくれたワ

薄明かりの中 確かめあっても束の間の夢
プラットホオムで遠ざかり行く列車を見つめて

東亜の明日は 二人の定め
堅い誓いは その日が来るまで
まふすぐ登るワ 朝陽が登るワ

スケエテヰング・リンク

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“スケエテヰング・リンク” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #10.

氷の祭典 スケーティング・リンク
銀盤の上を 少女達が滑る
楽士の奏でる 胸高なるメロディ
美しい骨格 発達した筋肉
晴れやかな笑顔 健全な民族

円を滑る 弧を滑る
図形を描け ターン ターン
ゆっくり回る すばやく回る
コマの様に スピン スピン

氷の祭典 スケーティング・リンク
ぐるぐると回って 白いつむじ風に
エッジが描き出す 製図が出来上がる
歓喜の声援 進歩する技術
明日の母親達よ 国民の未来よ

円を滑る 弧を滑る
図形を描け ターン ターン
ゆっくり回る すばやく回る
コマの様に スピン スピン

大油田交響樂

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“大油田交響樂” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #9.

雪を溶かす熱気 白ひ息荒く
カンテラを灯して 日夜続く作業
たゆみなく響く ポムプの謳歌よ
地底に眠る 無尽蔵の力
北の果てサハリン 我らが誇り大油田

吹雪舞ふ夜空 紅に染めて
立ち並ぶ櫓 吐き出す火柱
凍りつくパイプ 送られる石油
待ちわびる皆 本土へと届け
北の果てサハリン 我らが誇り大油田

潜水艦

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“潜水艦” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #8.

「ベント開け、急速潜航、深度二十メートル!
レーダーが目標を発見しました!
方位角右四十八度、距離八百六十メートル、敵速四ノット!
魚雷戦用意、発射準備完了!!
宜候、宜候・・・!」

潜望鏡に映る、静かな海
特殊任務、作戦の展開
ソナーからの音波の網のがれ
シュノーケルの酸素は新鮮で
あぶくの中のヒトデが浮き沈み
我ら海の狼、鋼鉄のサメ
スクリューは回る、ポンプは動く
ピストン Up Down
ピストン Up Down

「あの沖合に見える船団デスッ!
おおっ、あれは敵輪送船団ダッ!
いやっ、違うぞ、あれは味方の水雷戦隊デスッ!!
非常呼集通信兵、すぐに電文を打テ!!」

潮の流れ、祖国に通ずる
胸にささる水圧計の針
魚雷発射で押し続けるスイッチ
我ら海の狼、鋼鉄の人魚
スクリューは回る、ポンプは動く
ピストン Up Down ピストン Up Down

復興の唄

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“復興の唄” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #7.

築こう明日を 焼け跡に
都市計画で 夢の町
着々出来る ビルディング
ぐんぐん伸びる アスファルト
素敵な君は 八頭身
肩の張ってるスーツ着て
ヒールの音を 響かせて
走るアメ車に 投げキッス

築こう明日を 焼け跡に
晴れた空には 鳩が飛ぶ
メトロが走る 街の下
デパートは飛ばす アドバルン
ジャズの音色は 開放的で
ダンスホールで 君を待つ
リズムに乗ったら ランデヴー
歩いて行こう 新時代

落日

詞:太田螢一
曲:上野耕路

“落日” is a song released by ゲルニカ and included on their first album 改造への躍動 as track #6.

夕映えは 大広間に長き影を落とす
日夜明け暮れた舞踏会
貴婦人の微笑み シャンパンの雨
時は経ち 全ては絵空事
床には砕けたワイングラスが
凍てつく心を写している
瞳は空しく 虚空を彷徨う
カーテンは今 静かに下ろされた
思えば何と不思議な日々
少年との甘き戯れ 将校の冷たい視線
私には何が残ったのか
鏡に映った後悔と軽薄
明日からは 雑踏に身を沈めて
背後には 沈みゆく豊かな太陽
カーテンは今 静かに下ろされた