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アカシアの雨がやむとき

詞:水木かおる
曲:藤原秀行
原曲歌唱者:西田佐知子
編曲:上野耕路

“アカシアの雨がやむとき” is a song released by Togawa Jun and included on her first mini-album 昭和享年 as track #3.

アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
夜が明ける 日がのぼる
朝の光りのその中で
冷たくなった私を見つけて
あのひとは
涙を流して くれるでしょうか

アカシアの雨に泣いてる
切ない胸はわかるまい
想い出の ペンダント

白い真珠のこの肌で
淋しく今日も暖めてるのに
あのひとは
冷たい眼をして 何処かへ消えた

アカシアの雨がやむとき
青空さして鳩がとぶ
むらさきの はねのいろ
それはベンチの片隅で
冷たくなった私の脱けがら
あのひとを
探して遥かに 飛び立つ影よ

解説

1960年代歌謡史を代表する女性歌手のひとり、西田佐知子が歌唱した楽曲である。A面とB面に異なる歌手の歌唱楽曲が収録されたシングルレコードの片面として、1960年4月に発売された。もう片面は、原田信夫が歌う「夜霧のテレビ塔」である。

その「アカシアの雨がやむとき/夜霧のテレビ塔」は、ポリドール・レコードから発売された西田佐知子の4枚目のシングル盤である。それ以前に発売された3枚も、異なる歌い手とカップリングされたシングルレコードであった。発売時のレコード・ジャケットは名前表記が当時の本名[1]とされる「西田佐智子」になっており、原田信夫の顔写真も掲載されていた[2]。しかし、本楽曲が圧倒的に広く浸透した結果、レコード・ジャケットが西田佐知子のみの写真にレイアウト変更され、名前も現芸名の「西田佐知子」に修正されたリニューアル盤が制作され流通していった[3]

シングル盤の発売自体は前述の通り1960年であったが、NHK紅白歌合戦(以降「紅白」)では1962年の第13回で初披露された。歌唱順は、紅組のトリ(島倉千代子)前である[4]。尚、紅白には前年の第12回に「コーヒールンバ」で初出場をしている[5]。紅白同様、年末に放送される日本レコード大賞では、1962年の『第4回輝く!日本レコード大賞』においてロング・セールスが評価され、「特別賞」が授与された。

紅白では、20回目の記念放送となった1969年の第20回でも披露された。1962年の紅白映像はNHKに残されていないとされ、現存するのは第20回の映像のみである(モノクロ映像)。民間放送で本楽曲を歌う西田佐知子の映像が放送される場合、この第20回の歌唱映像が貸し出される事がある。カラー映像は、1968年12月27日にTBS系で放送された『日本レコード大賞10周年特別番組』に出演した時の映像と、1975年にNHKで放送された『思い出のメロディー』に出演した時の映像が現存する。

1963年には、浅丘ルリ子主演、高橋英樹が相手役で西田佐知子本人も出演した日活制作の歌謡映画『アカシアの雨がやむとき』が封切られた。2002年の年末、NHK-BS2で放送された特別番組『あなたが選ぶ思い出の紅白・感動の紅白』において、VTR出演した浅丘ルリ子が「もう一度聴きたい曲」として本楽曲を挙げ、第20回の映像が放送された。この第20回は、審査員として浅丘ルリ子も出演していた。西田佐知子と浅丘ルリ子は互いの独身時代、大変親しかったことでも知られている。

本楽曲で歌われるアカシアは、本当のアカシアではなくニセアカシアとされる。また、「アカシアの雨が止むとき」「アカシアの雨が止む時」「アカシヤの雨が止む時」など表記は幾つか散見されるが、近年発売される西田佐知子のベスト・アルバムではJASRAC届出の「アカシアの雨がやむとき」で統一されている。

ヒットした背景

「アカシアの雨がやむとき」が支持された背景として、「日米安保闘争」と関連付けて語られることが多くある[1]。その話りの中身とは、1960年1月の「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」調印を発端とした安保闘争後、反対運動の成果ゼロという結果に疲れた若者たちが西田佐知子の乾いたボーカルと廃頽的な詞に共鳴し、歌われたことで広まっていった、というものである[6]。そのため、テレビ番組では当時の世相を反映する楽曲として、安保闘争(とりわけ樺美智子死亡による抗議デモ)の映像のバックで流れることがある。

エピソード

西田佐知子がこの「アカシアの雨がやむとき」をレコーディングする際、なかなか上手く歌えず苦労していた時に、この曲の作詞者である水木かおるから『この曲は、芹沢光治良の『巴里に死す』という小説をモチーフにして書いたものなの』と言われ、パリの風景をイメージして歌うようにしたことを語っている[7]

Transcribed from wikipedia.