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わたしが鳴こうホトトギス

詞:戸川純, 真部脩一
曲:Vampillia

“わたしが鳴こうホトトギス” is a song released by 戸川純 With Vampillia and included on their album わたしが鳴こうホトトギス as track #9.

雅たる春は あな曙
テツペンカケタカ※
テツペンカケタカ
千代に時を経て
ああ等身大に
かつこう かつこう
ほうほけきよ

抜けば玉散る氷の声で
わたしが鳴かふホトトギス
門前に習わぬ歌を
かつこう

窓を濡らし 天が泣く
我 雨乞ひの儀をうたふ
すわ鳴くを待たれたし
かつこう かつこう かつこう かつこう

ちゆんちゆん ぴよびよ ぴいひよろろ
雉の鳴ひても撃たれまい
ちゆんちゆん ぴよびよ ぴいひよろろ
静かな森で
揺れる樹の群れ
高く息吹は舞ふ

雅たる春を 目の当たりに
絶景なるかな
絶景なるかな
ああさふか
想ひ出したのは
子どものころ
小さきまなこに
値万金 万々金

梅に鶯 桃李は実る
いしの想ひか紅楼夢
東風ふかば にほひは渡る
雅たる春は あな曙
かつこう かつこう かつこう かつこう
テツペンカケタカ
テツペンカケタカ
テツペンカケタカ
何年経つても鳴ひてゐやふ

※テツペンカケタカはホ卜卜ギスの鳴き声

12才の旗

作詞:戸川純
作曲・編曲:中原信雄
宮村優子 – 大四喜 – track5

  12才の旗

  「今夜は赤飯だーッ」

  どこまでも青い空 そんな清い朝のこと
  目覚めた私 シャワーを
  浴びようと白い ショーツおろした

  そのとき 私の目に
  国旗がひるがえった
  我が祖国の旗が
  12才の日にひるがえった

  恥ずかしいとか 大人になったとか
  どうでもいいことは おいといて
  それは美学

  どこまでも澄んだ空 そんな清い朝にこそ
  初めての日は 似つかわしい
  これから毎月 祝日にしよう

  高まる胸の奥で
  国旗がたなびいている
  我が祖国の旗が
  12才の日にたなびいている

  ハレ・ケ・ケガレじゃ ケガレの血ではあるが
  私にとっては ハレなのだ
  それは美学

  万歳

(something extra) 愚行

詞:戸川純
曲:戸田誠司

“(something extra)” is a song released by ヤプーズ and included on their first mini-album CD-Y as track #4.

「愚行」朗読

【愚行】 文•戸川純

A子は死ぬ程愛しているB夫に、とある喫茶店で「別れてくれ」と言われた。
「僕はC子ちゃんという子のことを好きになっちゃったんだ。ごめんよ。悪いけど、別れてくれ」
A子はガーンと、きた。悲しい。泣いた。
「な、泣かないでくれ、君に泣かれると、つらい、やはり、うーむ」
偽りの愛の言葉を言うことは、もうできなかったが、B夫はやさしい男だったので、A子の悲しみを、少しでもなぐさめてやりたかった。
「……そうだ、お別れに、ねっ、お互い、大切なものをひとつ、交換しよう。で、記念に、ずっと持っていよう。ね、そうしよう。明日、最後にもう一度ここで二時に会おう。そんとき持ってきてくれ。ねっ、ねっ」いつものA子なら、「あっ、やっぱりB夫ってやさしいなあー」と、素直に思えたであろう。しかし、ふられた女の心理は、普通の女の子を、呪われた悪魔に変えてしまう。もう既に、A子はB夫を憎み始めていた。
A子は顏をあげた。
「……わかったわ。明日、お互いの大切なものの交換が終わったら、私はあなたをあきらめるわ」
「わーわかってくれたのかい、A子!君は僕なんかより。素敵な男をさがして、幸せになっておくれ。それじゃ、今日はさよなら!」
B夫はホッとして、逃げるように去って行った。その背中を見つめながら、A子はニヤッと笑った。

次の日の、同じ喫茶店。
A子は少し早めに来ていた。B夫が、来た。
「やあ」「どうも」
「持ってきたかい?」「ええ」
A子の目は、赤く充血していた。B夫は、やはり罪悪感に駆られ、思った。(ゆうべ寝ずに泣いていたのだろう……かわいそうだが、仕方ない)
B夫は振り切るように、「さあっ、僕のは、これだよ。父が昔、ドイツの骨董屋から買ってきてくれた、古い萬年筆だ。とっても大切にしていたんだよ。でも、君にあげようね」
B夫がさし出すと、A子は受けとった、「ありがとう」今度はA子の番だ。
「私のは、これ」
A子は、増々目を赤くして、白い小さな箱をさし出した。
「何だろう」「あけてみて」
それは、あぶら紙に包まれた、A子の人さし指であった。「ギャッ!」
B夫は、眼球が落ちそうなくらい、目を見開いて、震えた。さらに目を充血させて、A子は言った。「私の、大切なものよ、わかるでしょう。ゆうべ切ったのよ。いやー、痛くて痛くて」
A子はもう、正気ではなかった。A子のその声は、いつになくバカでかく、そしてやはり震えていた。「激痛ってこのことを言うのね。家からこのキッサ店への道順もわかんなくなったくらいよ。でも、約束の一時間前に家出たから、逆に早く着いちゃって、エへへへ」
A子はもう、自分で何を言ってるかわからなくなって来た。そして、B夫には何も聞こえてはいなかった。ただ胸が速く鼓動を打つのだった。
「私ね、これないと、いろいろ困るんだけど、大切なものって言うから、これをあなたにあげるわ。ないとほんとに困るのよ、大切なのよ、これ……」
と、A子は白い箱の中味を指さそうと、した。「あああ」B夫はうめいた。A子は指さそうにも、その指は、当の箱の中にあったのである。
「ほら、もう困るわ」

ヒト科

詞:戸川純
曲:中原信雄

“ヒト科” is a song released by ヤプーズ and included on their first mini-album CD-Y as track #3.

凍てつく冬でも 火事はおきる雪とかし
阿鼻叫唤の中で 熱く熱く燃ゆる

私は見ていた 冬のような厳しさの
あの身も凍る状況で なおも燃ゆる我が炎

ヒトは知能だけで 動物の頂点に
立ったんじゃないんだ ヒトは凄いんだよ

さあ もう 傷は癒えた 立ち上がり いざ行かん
さあ もう 痣は消えた 走り出し いざ行かん

私は見ていた 熱砂のうえ乾きの中
あの身も焦げる状況で どこかなぜか冷静だった

羽虫

詞:戸川純
曲:中原信雄

“羽虫” is a song released by ヤプーズ and included on their first mini-album CD-Y as track #2.

得たひのしれぬ羽虫の
運んで来た悪ひ熱を
少年は、半ズボンから伸びた、陽に燒けたその足のひざにイタダいて、床に伏した。

父は汗をたくさんかくと良いのだと言ひ、
着物の下に下着を何枚も着せられ、
ゆだる樣なふとんの中で食った梨が美味かった。
しかし、ジッとしているだけとは、なんともなんぎなことであります。
誉められるわけでなし、駄賃を貰えるわけでもない(ハハハ。と、これは冗談であります)。
早く元気になりたひ。
フト見ると、まくらもとにゆんベの虫の奴めはひからびていた。

いつまでも、熱はひかなかった。

シアー・ラバーズ

詞:戸川純
曲:戸田誠司

“シアー・ラバーズ” is a song released by ヤプーズ and included on their first mini-album CD-Y as track #1.

私は青 紺碧の
あなた飲み込み Marine Blue
私は青 晴天の
あなたを覆う Sky Blue

だけど自由にはなつの スピーディーに
そしてあなたを見守る Sheer Blue

私は赤 炎をはなち炎上する 紅蓮 Fire Red
私は赤 鮮血の熱く滴る Blood Red

私からはなちたつは スピーディーに
薔薇の香りの Deep Red
私から流るるは スピーディーに
薔薇のかたちの Sheer Red

輝きは ひとつのいろ
どんな時代にも すべての人が
だいじにしてきた

Brilliancy, a firm color
Necessary, all the time
The what it is the color of love maybe

白いしぶき輝く スピーディーに
光しかそこにはまだ なにもないから
そしてあなたを見守る Sheer White

私は青 紺碧の 私は赤
あなたは白 プラチナの
あしたは白

赤い花の満開の下

詞:戸川純
曲:中原信雄
編曲:ヤプーズ

“赤い花の満開の下” is a song released by ヤプーズ and included on their fifth album HYS as track #10.

「久しぶりに真っ白い雲を見た
空を見ること自体 久しぶりだった」

かつて独りだったように
別れてまた独りになった
晴れた空仰いで気付く
思ってたより私丈夫そう

本当にやさしい人だった
別れても大好きなままだろう
青い空雨上がりの雲
結局 私 長生きしそう

話しかけてくる 樹々の花よ
あれは赤い花 赤い花
孤独じゃない

友達もいるし 親兄弟もいるし
いざとなったときは
神様もいるし

「泣くのをがまんしてたら
かわりに 花びらが ひらひらしてきた」

さあ今日から始まる妙な日々
あなた いない 信じられない日々
陽ざしがまぶしいほど午後の空
独りになったと実感がわく

またいい日が来ると 樹々の花が
あれは赤い花 赤い花 孤独じゃない
友達もいるし 親兄弟もいるし
いざとなったときは 神様もいるし

あたしもうぢき駄目になる

詞:戸川純
曲:中原信雄
編曲:ヤプーズ

“あたしもうぢき駄目になる” is a song released by ヤプーズ and included on their fifth album HYS as track #9.

窓ガラスを割った右手を 滴るのは我が燃ゆる血
他人や自分、ものに対し 押さえきれぬ破壊衝動

左の手に十字を彫る 噴き出すのは我が燃ゆる血
他人や自分、ものに対し 押さえきれぬ暴力癖

何故こんな者にまで慈悲を 憐れむ君 本物の天使
罵詈雑言を吐かれてもなを いかれても見捨てないと言った

正常な意志 日増しに減る 行動すら 記憶途切れる
他人や自分、ものに対し 押さえきれぬ破壊衝動

私はもう半分別人 自分なくすの時間の問題
他人や自分、ものに対し 押さえきれぬ暴力癖

何故こんな者にまで慈悲を 憐れむ君 本物の天使
罵詈雑言を吐かれてもなを いかれても見捨てないと言った

それいけ!ロリータ危機一髪 -或るスパイを襲った一種の強迫観念について-

詞:戸川純
曲:河野裕一
編曲:ヤプーズ

“それいけ!ロリータ危機一髪 -或るスパイを襲った一種の強迫観念について-” is a song released by ヤプーズ and included on their fifth album HYS as track #8.

ワルサーPPK 両手で握って
部屋から一歩も外に出られない
不安が続くの ドキドキしてるわ
一人に慣れてるつもりでいたけど

ああ世界中がすべて敵に見えるのよ
まるでみんながみんなおこってるみたいな感じよ

不安がつのって歯がガチガチ言ってる
まるで大勢の人に狙われてるような感じよ

被害者意識と加害者意識が
ふたつそろって襲って来るのよ
不安がつのって歯がガチガチ言ってる
窮地に慣れるよう訓練されたけど

ああ世界中がすべて敵に見えるのよ
まるで殺したいほどに憎まれることしたような感じよ

被害者意識と加害者意識が
ふたつそろって襲って来るのよ

ふるえる少女をかばうかのように
私を守ってワルサーPPK

 

いじめ

詞:戸川純
曲:戸川純
編曲:ヤプーズ

“いじめ” is a song released by ヤプーズ and included on their fifth album HYS as track #7.

きれいな心でいると
きれいになると言うけれど
鏡の中をのぞくと
おかしな顔だな

生まれた子供はみんな
きれいな感じがするんだ
いじめられても泣かない
私のとりえよ

朝の光がキラキラ
すずめのかわいい鳴き声
夜が続けばいいのに
出口がない日々